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アスベスト調査は必須?浜松市の解体工事で知っておくべき法規制

浜松市中央区を拠点に解体工事を手がける株式会社エコネクストです。解体工事における法規制の中でも、特に重要性を増しているのがアスベスト調査の義務化です。2023年10月から新たに強化された規制について、浜松市周辺で解体工事をお考えの皆様に必要な情報をお伝えします。
 

アスベスト調査が必須となった背景


1990年代以前に建築された建物には、アスベスト(石綿)含有建材が使用されている可能性が高く、適切な調査と対策なしに解体を行うと深刻な健康被害を招く恐れがあります。浜松市を含む静岡県西部では、高度成長期に建設された建物が解体時期を迎えており、アスベスト対策は喫緊の課題となっています。
令和5年10月1日から、すべての解体・改修工事においてアスベストの事前調査は有資格者のみが行うことが法的に義務化されました。これは、建物の安全な解体と作業員・近隣住民の健康を守るための重要な改正です。
 

法規制の変遷 内容と施行日
2021年4月施行 規制対象建材の拡大(すべてのアスベスト含有建材が対象)
事前調査の義務化
2022年4月施行 事前調査結果の報告義務化
一定規模以上の解体・改修工事で労働基準監督署と自治体への報告が必須
2023年10月施行 有資格者による事前調査の義務化
建築物石綿含有建材調査者のみが調査を実施可能

参照:「建築物石綿含有建材調査者講習及び工作物石綿事前調査者講習|厚生労働省」
 

調査が必要な解体工事の対象範囲

 

建築物の解体工事

浜松市での建築物解体において、事前調査の対象となるのは以下の条件を満たすものです:

  1. すべての建築物(建築時期・構造・用途を問わない)
  2. 解体・改修・補修工事のすべて
  3. 請負代金が100万円以上の工事では報告が必須
  4. 床面積80㎡以上の解体工事では報告が必須

 

調査結果の報告が不要な場合

以下の条件に該当する場合は、調査は必須ですが報告は不要です。

報告不要の条件
・請負代金100万円未満かつ床面積80㎡未満の解体工事
・2006年9月1日以降に着工した建築物(設計図などで確認できる場合)
・法的除外対象の工事(軽微な修繕など)

 

工事規模 事前調査 調査結果の報告
大規模工事
(請負100万円以上または床面積80㎡以上)
必須 必須
中規模工事
(上記条件の一方を満たす)
必須 必須
小規模工事
(両条件とも満たさない)
必須 不要

参照:「4月1日から石綿の事前調査結果の報告制度がスタートします|環境省」
 

アスベスト調査の実施者と必要資格

2023年10月1日以降、アスベスト事前調査を実施できるのは以下の資格を持つ者に限定されています。

  1. 建築物石綿含有建材調査者
    ・一般建築物石綿含有建材調査者
    ・特定建築物石綿含有建材調査者
    ・一戸建て等石綿含有建材調査者
  2. 日本アスベスト調査診断協会登録者
    (令和5年9月30日以前に登録された者)

 

調査者資格の種類と調査可能範囲

 

資格名 調査可能範囲 講習時間
特定建築物石綿含有建材調査者 すべての建築物
(最高位資格)
11時間+実地研修+口述試験
一般建築物石綿含有建材調査者 すべての建築物 11時間+筆記試験
一戸建て等石綿含有建材調査者 一戸建て住宅・共同住宅の住戸内部のみ
(共用部分は除く)
8時間+筆記試験

参照:「建築物石綿含有建材調査者とは?資格の概要から試験の難易度まで詳しく解説|CIC日本建設情報センター」
 

アスベスト調査・除去工事の流れ


浜松市での解体工事におけるアスベスト調査から除去までの標準的な流れは以下の通りです。

  1. 書面調査
    設計図書や建築資料の確認
  2. 現地調査
    有資格者による目視・採取調査
  3. 分析調査
    必要に応じて試料を分析機関に依頼
  4. 調査結果の報告
    労働基準監督署・自治体への報告
  5. 除去工事計画
    調査結果に基づく工法の決定
  6. 除去工事の実施
    レベルに応じた適切な工法で実施

 

アスベストのレベル分類と除去費用

 

レベル 建材の種類 飛散性 除去費用目安(1㎡あたり)
レベル1 吹付けアスベスト
吹付けロックウール等
著しく高い 15,000~85,000円
  
レベル2 保温材・断熱材
耐火被覆材
高い 10,000~60,000円
  
レベル3 成形板等
(スレート・石膏ボード等)
比較的低い 10,000~30,000円
  

参照:「アスベストのレベル3・レベル2・レベル1の違いとは?撤去費用はどのくらい?|クラッソーネ」
 

浜松市でのアスベスト調査・除去費用補助制度

浜松市では、アスベスト対策を推進するため、以下の補助制度を用意しています。

浜松市民間建築物吹付けアスベスト対策事業補助金
・対象:民間建築物の吹付けアスベスト
・補助内容:分析調査・飛散防止工事費
・補助率:対象経費の1/2以内
・上限額:調査費25万円、除去工事費1,000万円

 
浜松市内の天竜区、浜名区、北区、西区においても同様の補助制度が適用されます。また、静岡県内では市町村によって独自の補助制度もあるため、詳細は各自治体にお問い合わせください。
 

補助金の種類 対象工事 補助上限額
分析調査補助 アスベスト含有建材の分析調査 25万円
(自己負担1万円)
除去工事補助 吹付けアスベストの除去・封じ込め・囲い込み 1,000万円
(対象経費の1/2)

参照:「民間建築物吹付けアスベスト対策事業について|浜松市」
 

調査・除去工事を怠った場合の罰則

アスベスト調査・除去工事に関する法令違反には、厳しい罰則が設けられています。

罰則規定
・事前調査の未実施:30万円以下の罰金
・調査結果の虚偽報告:30万円以下の罰金
・適切な除去作業の不履行:6月以下の懲役または50万円以下の罰金
・飛散防止の不履行:3年以下の懲役または300万円以下の罰金

 
これらの罰則は、発注者・元請け事業者だけでなく、下請け事業者にも適用される可能性があるため、関係者全員が法令遵守に取り組む必要があります。
 

まとめ

浜松市での解体工事において、アスベスト調査は法的義務であり、適切な対応が求められます。以下のポイントを抑えて計画を立てましょう。
 

事前調査は全工事で必須:2023年10月以降、有資格者による調査が義務化
報告義務の確認:工事規模により報告の要・不要を確認
適切な業者選定:建築物石綿含有建材調査者の資格を持つ業者への依頼
補助制度の活用:浜松市の補助金制度を効果的に利用
法令遵守の徹底:罰則規定を理解し、適正な工事実施

 
エコネクストでは、アスベスト調査から除去工事まで一貫して対応可能な体制を整えております。浜松市周辺での解体工事をご検討の際は、法令遵守はもちろん、近隣への配慮も含めて安全で環境に優しい解体工事をご提供いたします。

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